犬(ブル)と暮らす②
まず、犬と暮らすことの大前提をはっきりさせますが、犬と人が家の中で共同生活をするということです。
日本に昔からある「番犬」として室外で飼うということは除外します。
そうです。日本において、犬を家の中で飼うという感覚は、まだ歴史が浅いのです。しかし、家のスタイルはこの数十年でそんなに大きくは変わっていません。
欧米では昔から犬を家の中で飼う習慣があります。欧米の家と日本の家の大きな差は「靴をぬぐかどうか」。
実はこの部分に犬の飼いやすさがすごく影響しています。
それはなぜか?
すぐ分かりますよね。犬は靴を履いて外に出るわけではないからです。
日本の家の多くは、玄関は靴を脱ぐ場所という程度のスペースしかなく、非常に狭い場合が多いです。
そして、その狭いスペースで来客を出迎えます。そうすると、玄関は、知らない人が来る狭い場所、というイメージが犬にも湧くわけです。
これは、なかなか解決するのは難しい問題です。
ドンコロの家では、土間と部屋の境目を曖昧にしたり、土間に奥行きがあったり、来客を土間ではない場所で出迎える仕掛けだったり、そういう工夫、つまり、外と中を曖昧につなげるということは、一つの答えになるのではないかと考えました。
インターホンを押してから、さらにアプローチが続きます。
中に引き入れることも、外で対処することも、来客にあわせて選ぶことができます。
プローチと玄関、内部が一体になっていて、「ここが来客出迎え場所」という雰囲気が出ないようにしました。
犬たちは外と中を構わずウロウロとしています。